パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第2章 『はじまり』に変わったのは

深海さんのデスクに着くと
デスクの上に紙袋が置いてあり
どうやらそれが忘れ物らしかった

こんなに目の着くところに
置いてあるのに忘れたって
ほんとに天然だなぁと
俺は心の中で笑ってたっけ


それから今度は
俺が少し前を歩き
深海さんは
俺の後を歩きながら
エレベーターに向かった


「デート無くなったんですよね？」


「うん（苦笑）
久しぶりだから
楽しみにしてたんだけどな…」


「久しぶり？
彼氏とあんまり会わないんですか？」


「あーうん。
部屋で会うことが多くて
出かけるのは
ちょっと久しぶりだったから」


なんだよ
会ってんのかよ


「それは残念ですね。
じゃあもう今日は予定無いんですか？」


「そうね」


この会話の頃には
もうエレベーターは
一階についていて
俺は少し焦っていた


「あ、深海さん」


「ん？」


「今日俺、深海さんに
LINEしようと思ってたんです」


「そうなの？
何か…あった？」


俺から相談事があると思った深海さんは
歩くのをやめて
ちょっと心配そうな顔で
俺を見上げた


か…可愛い…


「あ、いや…
深海さんが俺のこと
Siri扱いもしてくれないんで
俺から連絡してみよーかなーと」


「あー…ごめんね？
連絡しなくて」


「連絡先交換とか
ほんとはちょっと…迷惑でした？」


「ううん、違う違う
そんなことないの。
ただ…」


「ただ？」