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私の欠けているところ
第5章 その『嘘』に俺は追い詰められ
「梶谷くん」


「ん?」


「さっき…変なこと言ってごめんね」


変なことって…

俺をゲイだと言ったこと?

それとも
一緒に居たいとか
紛らわしい言葉を言ったこと?

俺は
どう答えていいかわからず
曖昧な返事をしてしまった


「あ…いや」



「それから…
あんまり心配しないでね。

私、ケガなんてしていないし
事故にあったとか
そういうのじゃないから」



「ほんとに?」



「うん、ほんと。
嘘じゃないよ」



「それなら…
とりあえずホッとした。

けど…」



「なに?」



「さっき
時ちゃん
今にも泣き出しそうだったけど」



そう言うと深海さんは
コーヒーを見つめたまま
しばらく黙り込み

そして

顔をあげないまま
小さな声で
話し始めた



「……ごめんなさい」



「え?」





「強がらない約束

私、破っちゃったかも」



「え?どういうこと?」



「悲しいことなんて
なかったって言ったけど

あれ


強がりだったかも


あ、でもあの時は
ほんとに悲しいことだって
思ってなかったし
逆に
嬉しいことだって
思ってたし

けどどれが
悲しいことなのか
今でも分からなくて

でも
か、梶谷くんに
居て欲しくて

っ…だから…」



「と、時ちゃん?
落ち着いて、大丈夫だよ。
俺、時ちゃんのこと信じてるし
ゆっくり話聞くから
とりあえず落ち着いて」


深海さんの声は…涙声で
少し
興奮していた


「ごめ…何言ってるか
分かんないよね

ごめんね、ほんと」



「時ちゃん…」


名前を呼ぶと
やっと深海さんは顔を上げて
俺に視線を合わせ
苦笑いをして見せた


でもその顔は
笑ってるのに
涙は今にも溢れそうで
どうしようもなく
悲しそうで

俺はまた

深海さんを
抱きしめたくて
たまらなくなった



「時ちゃん…」



「………」



「ハグ…してもいいかな」


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