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私の欠けているところ
第5章 その『嘘』に俺は追い詰められ
「なんでかな…っ…

なんで
こんなに

…っ…泣いちゃうんだろ…」



深海さんは
俺の腕の中で泣きながら
そう呟いていた


多分

それは本心だったんだろう


もしかしたら
深海さんが
はじめて感じた
『無償の愛』
だったのかもしれない


その時の俺に

下心がなかったわけじゃないんだけど



しばらくして
深海さんの涙が
少し落ち着いてくると
深海さんは
照れ隠しなのか

「やだ…ごめんね?
ほんと、恥ずかしい」

と少し笑ってみせながら
ティッシュで涙をぬぐった


どこまでも
強がってしまう人なんだと
俺はその時思った

今も

そこはあんまり
変わってないけど


「時ちゃん」


「ん?」


「大丈夫?」


「うん、大丈夫。
梶谷くんに
今日変なとこ、いっぱい見せちゃったね。
嫌われちゃいそう(苦笑)」


何言ってんだよ

そんなとこも全部
俺は好きなのに

そんなところを
助けたいって思ってんのに

そう思った俺は
腕に力をこめ
ぎゅうっと深海さんを
包み込むと

小さなピアスのついた耳に
囁いた


「嫌いになったりしない」


「か、梶谷くん」


「俺、時ちゃんのこと好きだよ」


「も、もう…」



「どんなことあっても」






深海さんからの返事は
なかなか返っては来なかった


『どんなこと』の重さが

自分と俺とじゃ
全く違うってことを
分かってたからだ


その時俺は
まだなんにも知らなくて

ただただ
深海さんを
愛したくて

愛されたくて

あの時

抱きしめる手を
なかなかほどけないでいたんだ
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