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私の欠けているところ
第6章 苦しくて…苦しくて…

「じゃあ
梶谷くんは
どんな人がタイプなの?」


「え?俺?」


「うん。
今まで聞いたことなかった」


俺は
時ちゃんがタイプだけど


「そうだっけ」


「うん。
私、ずっと気になってたんだけど」


そう言って
身を乗り出す時ちゃんが
すげー可愛い


「え?なになに?」


気になるとか
すげー嬉しいんだけど!


「梶谷くんって…男の子好きじゃない?」


え?


「あ~…うん」


「どっち?」


……マジか…
それは設定考えてなかった
これ、どっち設定がいいんだ?
てかその前に
俺が女っぽいのは
マジできねぇ


「なんてゆーか…俺が男の方」


通じた?


「やっぱり!
そんな感じしてた」


そうだよな
俺、女が好きだもん
てか
時ちゃんが好きだし


「梶谷くんが好きな人は
まだ誰かと付き合ってるの?」


その頃俺はもう
缶ビール二本を飲み干し
ハイボールを飲み始め
時ちゃんは
冷やしておいた赤ワインを
飲み始めていた


「な~んかさ~
別れないんだよな~」


さっさと別れると思ってたのにさ~


「ほかに好きな人…いないの?」


「いない。
その人がいい。
めっちゃいい。
キスしたい」


「クスッ(笑)…
梶谷くん可愛いね」


「カッコイイって言ってくれよ~」


「カッコイイよ?
けど可愛いい。
キスしたいとか」


「したいにきまってんじゃん
俺、マジ
何か月もキスしてねーし」


ほんとはもっと
すごいこともしたい


「クスッ(笑)」


自分の事だと思ってない
時ちゃんは
そんな会話を面白がって
クスクスと笑った


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