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贖罪の檻。【煉獄━ レンゴク ━】
第35章  与えられる快楽
  


 パーティーの夜にも出逢った人格なのだと理解し問い掛けた。


「そんなに、“知りたい”?」


「っ!?」


 見知った少女ではない。罠を簡単に仕掛けて落とせるような女に見えた。


「ふふ。“か弱い月良”じゃないから、困ってるの・・・“ご主人さま”。」


「っ・・・」


 なんと返したらいいものか、戸惑ってしまう。


「“ワタシ”は、月良が棄てた感情よ。1回逢ったわよね?パーティーの夜に。」


「ええ、そうですね。あのときもずいぶんと驚きました。
 今回も入れ代わったのですか?」


「そうよ。あの人たちが加減しないから。
 あなたの躾、行き届いていないわね。」


「これはまた・・・手厳しいですね。」


「本当のことでしょう?」


「確かに。晩餐がありますから、シませんよ。」


「助かるわ。“ワタシ”は、好きだけどね。さすがに疲れたわ。」


  
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