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金曜日
第22章 展示会で思わぬ事態



段ボールを展示会場に運び商談をしているテーブルに持っていく


『お待たせ致しました。佐藤も座って。』



翔大さんに促され、ちょこんと座らされる



さっきとはまるで別人の様な営業スマイルで三栄百貨店さんに商品を広げて見せる翔大さん


「この商品は思ってたより、質感もいいですね。デザインは申し分ないから、このままでいいですね。」


『ありがとうございます。』



「色展開は?あ、これですね?」



『実は、グレーだけ素材上のパーセントが変わってきまして、質感が柔らかく出来ています。色展開的に入れた方がいいのですが、質感が違うとなるとどうかと懸念してますが、、、』


「うん、柔らかいな。素材感の違いがはっきりしすぎてる。」


『そうですよね。』



「素材上変えられないの?」



『はい、どうしても、こうなります。できません。』



「そうはっきり言って貰うとなんだな~(笑)グレーは売れ筋になる色だからな、どうにかならないの?」


『素材上変えられないのですが、形状記憶加工を付けてあるのでシルエットを保つことは可能です。』


「うーん、形状記憶は今時は当たり前になってるからな。そうだな、うん、いいよグレーも入れる方向で進めよう。」



凄い!翔大さんの商談の様子を間近で見れるなんて、やっぱり大口さんだから、相田社長の時とはまるで違う対応に惚れ惚れしながら、翔大さんと雄太君のやり取りを眺めていた


「このポロシャツは胸のロゴをもう少し大きめにできないい?」


『できます。こちらにワッペンを用意してあります。どれくらいでしょうか?』


翔大さんが何種類ものワッペンを並べてポロシャツに当てて見せている


「おー、用意がいいな。そうだな、このサイズでいこうか」


雄太君が納得したのか、その場で商品を次々と決定していき


一通り商品の説明が終わったのか、翔大さんがホッと息を吐く様子をみせた


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