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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第8章 不測の淵
「確かに」



 大妃は、いかにも気がなさそうに言った。





「仕立ての技術は素晴らしい。そなたの腕はたいしたものだと主上が仰せであった。大方は女に腑抜けた息子の眼が曇っているだけであろうと高を括っていたが、どうやら息子の言葉に偽りはなかったようだ。後宮の繍房・針房にも、これだけの腕を持つお針子はおらぬ」
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