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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第8章 不測の淵
「そうだったの」






 初耳であった。ホ内官の父は先代の内侍府長(内官長)であったと聞いている。いわば、名門だ。その子息ゆえ、ホ内官は内侍府でも期待のエリートだ。頭が切れると同時に人望もある男だと専らの噂である。しかし、そのホ内官の父が実は養父であったとは知らなかった。
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