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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第9章 夢でも
 彼女は老齢にさしかかった母と二人暮らしである。宮仕えを辞めようにも、辞めたその日から母子二人、その日を暮らしてゆくのに困る仕儀になる。そのため、思うに任せない日々にも耐えているのだ。



 女官が大妃には知られないように小さな息を吐いたそのときだった。





 大妃に仕える尚宮が入室してきた。何事か大妃の耳許で囁くと、大妃が頷いた。
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