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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第9章 夢でも
「憐れな。やはり、どのように気遣うても私では父母の代わりにはならなかったのだな。幼くして両親の許を離れ、この宮中で心淋しかったのであろう」



 大妃は遠い瞳になり、呟いた。




「されど、もし何かあったときにはとは、不吉ではないか。中殿は自分の身に起こるであろう不幸を予感していたのか」
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