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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第10章 花と蝶の居場所
 ほどなくまた扉が開き、庭へと続く階を降りてきたのは、あの楊尚宮であった。



 態度だけは慇懃に、オクチョンに腰を折る。



「私めがご用向きを承りましてございます」




 先刻の若い女官から用向きは聞いているはずなのに、訊かずもがなのことを言う。
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