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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第10章 花と蝶の居場所
「淑媛さまっ」




 申尚宮の悲鳴を聞きながら、オクチョンは自分の身体がゆっくりと落下してゆくのをまるで他人事(ひとごと)のように感じていた。





 刹那、オクチョンは咄嗟に腹の子を庇うように腕を腹部に回した。もし身体を強く地面に打ち付けたとしても、こうしていれば少しなりともお腹の子を守れるかも。
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