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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第10章 花と蝶の居場所
「よう参られた、中殿」




 上座から身を乗りださんばかりに、大妃は赤児が気になるらしい。



―強情を張られずに、禧嬪にお会いになれば良いものを。





 王妃は内心はおくびにも出さず、赤児を抱いたまま上座の大妃に頭を下げた。
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