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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第10章 花と蝶の居場所
「そなたはまだまだ若い。私は伏魔殿で何十年も生きてきたのだぞ。幸いにも、先王殿下は側室を持たれず、その点は恵まれていた。息子が妖婦に誑かされ、そなたには申し訳ないと思うている。さりながら、私はそなたと同じ正室であった。側妾の腹の内など端から見えておるわ。あの女を信ずるのは良いが、せいぜい足下を掬われぬようにな」





 奇しくも、かつて大王大妃がオクチョンに与えた苦言と同じ言葉をこの日、大妃は王妃に伝えたのだった。
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