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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第3章 愛する男の正体~再会~
女官になるには身元調査と簡単な試験があるものの、これは間に立った人が確かだったので、あるようでないものだった。
オクチョンが最初に配備されたのは、大王大妃(テーワンテービ)の暮らす殿舎である。大王大妃というのは、四代前の国王仁祖の継室、つまりは後妻に入った荘烈王后(チヤンニヨルワンフ)(慈懿大妃)だ。この方は極めて淋しい身の上で、若くして父親のような年上の老王の後妻に入ったものの、子どもにも恵まれなかった。