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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第10章 花と蝶の居場所
 自分の眼の黒い中は、何があっても禧嬪の産んだ子を世子に立てる気はないが、死後は〝認める〟と。



 大妃がどこか遠い瞳になった。





「私は若い時分から、しばしば目眩と頭痛に見舞われることが多くてのう。最近、それがとみに烈しくなった。念のために御医に問いただしたのだが、もうさほど長うはないようだ」
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