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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第10章 花と蝶の居場所
 一陣の寒風が身の側を吹き抜け、オクチョンは身体の芯から凍り付くような真冬の風にかすかに身を震わせた。




「ここは寒うございます。王子さまがお風邪を召してもなりませぬゆえ」




 申尚宮がそっと囁き、オクチョンは頷いた。




 私はこの子の母親なのだ。母は何があろうと、鬼にも蛇にもなって子を守り抜かねば。
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