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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第3章 愛する男の正体~再会~
スンとはもう二度と逢うことはないだろうけれど、咲き誇る垂れ桜の下で過ごしたひとときがあれば、これからも自分は幸せな夢の中で生きてゆける。彼女にとって、国王の眼に止まりたいがために大騒ぎする女官たちの行動は、完全に他人事であった。
オクチョンは自分が機転が利く方だとの自覚はあった。能力を活かせば、尚宮になる自信はあったけれど、できれば早くお金を貯めて後宮を出たいと考えている。纏まったお金でどこかに小さな屋敷を買い、母と兄を呼び寄せて三人で暮らすのが夢だ。
オクチョンは自分が機転が利く方だとの自覚はあった。能力を活かせば、尚宮になる自信はあったけれど、できれば早くお金を貯めて後宮を出たいと考えている。纏まったお金でどこかに小さな屋敷を買い、母と兄を呼び寄せて三人で暮らすのが夢だ。