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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第13章 恋しさの香り
 女への情は情として、実の母親に対して、あまりに不実な行いではなかったのか? 今になって、粛宗の心には母につれなかった自分に対しての自責の念がいや増していた。





 それは、やはり大妃の生命が長からぬことを知ったからではあったろうが、大妃が余命について実の息子ではなく嫁の王妃にだけ伝えていたことも愕きであった。つまりは、母はそこまで王妃を信頼しているという証でもある。
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