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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第13章 恋しさの香り
「ご病気のときにするお話ではなかったですね。また、時を改めましょう」


 だが、大妃は首を振った。

「いや、そなたとは一度、そのことで話をせねばならぬと思うていた。構わぬ」





 大妃は言い、眼を閉じた。その様子から、母が言葉を探しているのであろうことは判る。粛宗は辛抱強く母の返答を待ち続けた。
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