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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第3章 愛する男の正体~再会~
―オクチョンか、玉のように美しく、貞淑であれとの願いを込めた名だな。名のとおり、美しく優しい娘に育ち、父御も母御も満足であろう。
―お言葉ですが、大王大妃さま、私の父はとうに亡くなりました。
―ホウ?
そこで生い立ちを訊ねられ、オクチョンはほぼ包み隠さず生い立ちを話した。もちろん、伯母にいびられていたというのは、適当に取り繕ったが、この賢明な女性はオクチョンの話だけで彼女の境涯を見抜いたようであった。