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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第2章 焔の花の中で~邂逅~
抱きしめ、あやすようにトントンと背中を叩いてやる中に、スヨンは次第に泣き止んでいった。スヨンが落ち着いたのを見計らい、彼女は男に頭を下げた。
「危ないところをお助けいただき、ありがとうございます。若さま(トルニム)が助けて下さらなければ、この子はどうなっていたか判りません」
心から礼を述べたのに、若い男はクスリと笑った。彼女は少しムッとして男を見上げた。小柄な少女からすれば、若い男は見上げるほど上背があるのだ。