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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第16章 西からの使者
 皮肉にも、あの予言は当たってしまった。王妃はオクチョンを稀に見る心の美しい人物だと認めていた。伏魔殿と呼ばれる後宮で凛として咲く一輪の花、流石は王の寵愛を長きに渡って受けるだけの女だと心から思っていた。その想いは賞賛と呼べるものに近いほどで、その一方、美貌と知性、優しさとすべてを持ち、その上、承恩を受けてこの国の世継ぎまであげた彼女にかすかな憧憬も持っていた。
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