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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第18章 絶対の刃先
 彼女は地味な色の外套を顔が判らないように深く被った。そのときだった、ふいに背後から羽交い締めにされた。ウォルメは渾身の力で抗うものの、自分を拘束する腕は鋼(はがね)のようだ。しかしと、ウォルメは訝しく思った。





 普通、屈強な男というのが口封じに寄越されるものだろうに、彼女を羽交い締めにしているのは間違いなく女のものだ。
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