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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第18章 絶対の刃先
 無様な声を上げてしまい、唇を嚼むウォルメの喉の上、刃の切っ先がなめらかに動く。そこには見る間に細い傷ができ、血が溢れ出した。





「自分の生命ほど大きな見返りはないと思うが? 判らぬか、そなたはどうせ禧嬪に利用されるだけ利用されれば殺される。今、ここで私の命令を拒んだとて同じこと。なれば、取引に応じて、生命だけは長らえるが利口というものではないか?」
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