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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第19章 迷宮
まるで、真冬の吹雪の夜のような冷たい視線だった。あの眼に見つめられただけで、身体の芯ばかりか心まで凍り付きそうだ。
スンがあんな眼で私を見たことなんて、なかったのに。オクチョンは手のひらで顔を覆った。
「中殿さま。どうか、お心を鎮めて下さいませ。中殿さまは今、大切なお身体です」
ミニョンが宥めるように言い、オクチョンの手を自分の手で包み込んだ。けれど、今はミニョンの手の温かさもオクチョンの心を少しも温めてはくれなかった。