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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第20章 宿命の対決
「南人の専横はこの頃、つとに眼に余るものがあります。まだ頑是無い世子さまの御前で妓生と乱交まがいの破廉恥なふるまいをする、ご即位前の世子さまを殿下とお呼びする―。確かに、これだけで南人に謀叛の兆しありと断ずるのは早計やもしれません。ただ、殿下、謀叛というのは発覚してから手を打っても遅いのではないでしょうか。後顧の憂いは断つ、厄の芽は早くに摘み取るべしと昔人(いにしえびと)も申しました。私めが言いたいのは、すべてが後手後手に回るのはよろしくないということです」