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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第3章 愛する男の正体~再会~
オクチョンはどこへ行く気もなしに、石畳を歩いていた。数日前に鞭打たれた傷は化膿して、熱と痛みを持っている。母が持たせてくれた塗り薬も、あまり効かない。歩く度に酷く痛むので、今も脚を引きずるようにしか歩けない。
人が見れば、さぞ無様な歩き方だろう。つと立ち止まり、チマからぶら下げたノリゲに触れる。可憐な紅吊舟が五つ並び、その一つ一つが紅玉で拵えられている。初夏の陽射しを受けて、紅玉がまばゆい燦めきを放った。