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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第20章 宿命の対決
ファヨンは黙り込む。粛宗が淡々と言った。
「人の心は策を弄して手に入れるものではない。物でも心でも、欲しいなら本気で相手に対するべきだ。少なくとも、私はそのように考えている。そなたは最初から西人の力を利用して私に近づいた。仮にそなたが左相から寄越された間者であったとしても、そなた自身が捨て身でぶつかってきたならば、私の心も動いたかもしれぬ。さりながら、そなたは二度とも左相を利用した。その時点で、私はもう、そなたを好きにはなれない」
「人の心は策を弄して手に入れるものではない。物でも心でも、欲しいなら本気で相手に対するべきだ。少なくとも、私はそのように考えている。そなたは最初から西人の力を利用して私に近づいた。仮にそなたが左相から寄越された間者であったとしても、そなた自身が捨て身でぶつかってきたならば、私の心も動いたかもしれぬ。さりながら、そなたは二度とも左相を利用した。その時点で、私はもう、そなたを好きにはなれない」