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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第20章 宿命の対決
「中殿さま、もう我慢がなりません。禧嬪さまはきっとご乱心なさったに相違ありませぬゆえ、事の次第の王さまに申し上げましょう」




 尚宮が怒りに震えながら言うのに、王妃は黙って静かに頬の唾を拭った。まるで何もなかったかのように、オクチョンに微笑んだ。





「このように暑い日ゆえ、どうせなら唾ではなく冷たい水の方が心地良かった」
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