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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第21章 赤い月~生と死~
花のように笑う王妃に、粛宗は改めて頭が下がる想いであった。
どうして、このように心の清(すが)しい女を一刻たりとも疑っていたのか。オクチョンは今回、王妃を呪詛しただけではない。かつては王妃に無実の罪を着せ、王妃を追い落としたのだ。もしかしたら、聡い王妃は公にはされておらぬオクチョンの罪にとうに気づいている可能性もある。それでも、粛宗に何を言うでもなく、むしろ今回も自分を呪詛したオクチョンを庇おうとしているのだ。