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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第22章 伝えきれなかった気持ち
―あの男が最後にくれた優しさに気づくことができた。




 そう思えば、申尚宮の裏切りも許せるような気がした。


 オクチョンが想いに耽っている間に、申尚宮はよろめくようにして出ていった。





 翌朝、申尚宮は自室で自ら首を吊っている変わり果てた姿で見つかった。遺書のようなものは、一切なかった。
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