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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第22章 伝えきれなかった気持ち
「判っている。あのときも、そなたは同じことを言った」



 〝あのとき〟というのが一ヶ月余り前の事件当夜であるとは知れた。



「オクチョン」


 名を呼ばれ、オクチョンは薄く笑んだ。




「嬉しい、初めて出逢った頃のように、私の名を呼んでくれるのね」
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