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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第22章 伝えきれなかった気持ち
 老婦人は供え物をしながら、まるで生きている人に話しかけるような口調で言った。更に彼女は袖から後生大切に巾着を出し、その中に入れていたノリゲを手にした。






 紅吊舟を象った花があしらわれたノリゲである。花びらの部分には見事な紅玉(ルビー)がはめ込まれていた。老婦人は、そのノリゲをそっと塚の前に置いた。
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