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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第2章 焔の花の中で~邂逅~
通訳官の身分はさして高くはないけれど、伯父は両班並みの豪勢な暮らしをしている。そのお陰で、都内にも屋敷を幾つか持っていた。その一つに一家は使用人も含めて移り住んだのである。
ある日、オクチョンは伯母の知り合いの両班の奥方に届け物を届けにいった。もちろん、伯母の命である。オクチョンは手仕事―殊に仕立物が上手かったため、屋敷では重宝がられていた。派手やかなチマチョゴリを仕立てるのを頼むときだけは、伯母も猫なで声を出すのだ。
ある日、オクチョンは伯母の知り合いの両班の奥方に届け物を届けにいった。もちろん、伯母の命である。オクチョンは手仕事―殊に仕立物が上手かったため、屋敷では重宝がられていた。派手やかなチマチョゴリを仕立てるのを頼むときだけは、伯母も猫なで声を出すのだ。