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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第4章 月夜の銀花~契り~
 コン尚宮のまなざしは眼前の蓮池に向けられているようでいて、実は、はるかに遠かった。



「さりながら、それは彼の方にとっては辛く哀しい恋の始まりだった」 






 四十過ぎの仁祖には寵愛を欲しいままにした貴人超氏を初め、たくさんの側室がいた。十四歳の幼い王妃に王は眼もくれなかった。
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