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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第2章 焔の花の中で~邂逅~
口にしてから両手で口元を覆った。
何という大胆で、恥知らずなことを言ったのだろう。大体、一ヶ月前のあの火事のときも、考えみれば自分は随分と恥ずかしい姿を彼に見せていた。危急のときとはいえ、チマを引き破った下半身は下着姿でいたのだし、彼をびしょ濡れのまま帰らせてしまった。
せめて着替えて下さいとくらいは申し出るべきだったのに。さぞ気遣いのできない女だと呆れられかと落胆と後悔の入り交じった気持ちで過ごしていたのである。