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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第4章 月夜の銀花~契り~

ここで、大王大妃は眼を閉じ、しばし思案に耽った。オクチョンは黙って次の言葉を待つ。
ややあって、大王大妃は眼を開き、慈しみ深い眼で彼女を見た。
「いつの日か、そなたを危機が見舞うやもしれぬ。それがいつで、どのようなものなのか。私にもっと力があれば、災難の避けようを教えてやることもできるが、生憎と私は人の未来を少しばかり読めるにすぎぬ。オクチョンや、悪は千里を走り、悪しき噂ほど恐ろしいものはないとよくよく肝に銘じておくのだぞ。私はそなたが〝妖婦〟などではないとよく知っているが、そなたという者をよく知らぬ者たちは、もしや噂を信じるかもしれぬ。遠い将来、その間違った噂がそなたを破滅に導くこともあるのだ」
ややあって、大王大妃は眼を開き、慈しみ深い眼で彼女を見た。
「いつの日か、そなたを危機が見舞うやもしれぬ。それがいつで、どのようなものなのか。私にもっと力があれば、災難の避けようを教えてやることもできるが、生憎と私は人の未来を少しばかり読めるにすぎぬ。オクチョンや、悪は千里を走り、悪しき噂ほど恐ろしいものはないとよくよく肝に銘じておくのだぞ。私はそなたが〝妖婦〟などではないとよく知っているが、そなたという者をよく知らぬ者たちは、もしや噂を信じるかもしれぬ。遠い将来、その間違った噂がそなたを破滅に導くこともあるのだ」

