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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第7章 敵対者
―今日もまた逢っては下さらなかった。





 喪失感と虚無感が一挙に押し寄せる。朝の早い時分にここに来たのに、太陽はもう頭上で輝いている。つまり、それだけの時間が流れたということだ。さしずめ今は昼過ぎであろうか。かれこれ一刻以上もの間、この暑熱の中、自分は同じ場所に立ち続けていたことになる。
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