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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第7章 敵対者
オクチョンは、その意味でも申尚宮やミニョン、その他、大勢の女官たちに対して申し訳ないと思っている。主人が後宮において時めけば、仕える者たちも甲斐があるというものだ。それは大王大妃殿で働いた経験があるオクチョンにはよく判っている。
オクチョンが我が身の不甲斐なさを面目なく思っているそのときだ。いきなり正面の扉が音を立てて開いた。先刻まで中に大勢の人が起居しているのかと疑いたくなるほど森閑としていたのが嘘のようである。