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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第7章 敵対者

怒りよりは哀しみの方が勝った。王妃が何やらお付きの尚宮に囁いている。尚宮は更に若い女官に何事か命じていた。
その理由はほどなく知れた。いきなり高見から水が降ってきて、オクチョンは愕きのあまり、その場に倒れそうになった。
この暑さゆえ、頭から水を被れば爽快なはずだが、現実はほど遠かった。というのも、頭上から降ってきたのはただの水ではなく、汚水であったからだ。ご丁寧に厠からくみ上げてきた糞尿が混ざっているらしく、辺りは立ちどころに鼻につく異臭が漂った。
その理由はほどなく知れた。いきなり高見から水が降ってきて、オクチョンは愕きのあまり、その場に倒れそうになった。
この暑さゆえ、頭から水を被れば爽快なはずだが、現実はほど遠かった。というのも、頭上から降ってきたのはただの水ではなく、汚水であったからだ。ご丁寧に厠からくみ上げてきた糞尿が混ざっているらしく、辺りは立ちどころに鼻につく異臭が漂った。

