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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第7章 敵対者
しかし、それもすべては〝妖婦、張尚宮と身の程知らずな使用人〟が懐妊中の王妃の気を動揺させたからだとされ、申尚宮は中宮殿の正面の台にうつぶせでくくりつけられ、およそ一刻に渡って鞭打たれた。申尚宮を鞭打ったのは、王妃の信頼も厚いあの中年の尚宮であった。
あの尚宮は王妃がまだ少女の頃、入内してから側付きとなって以来、ずっと若い王妃に仕えてきたという。鞭打たれ続けた申尚宮は自力で歩くことも叶わず、戸板に乗せられて運ばれてきた。