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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第8章 不測の淵
 王は男性なので、穢れを伴うとされる出産の現場に立ち会えない。粛宗は中宮殿前の庭で大勢の内官や女官と共に妻の無事な出産を願い、待ち続けた。



 産気づいて六日めの朝、漸く赤児が見え始めた。




「中殿さま、御子さまのおみ脚が見え始めました」





 経験者でもある年配の尚宮が気づき、声を張り上げた。
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