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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第8章 不測の淵
「―嘘だ」


 みじかいしじまの後、大妃が重い口を開いた。



「嘘ではありません。この子は息をしておらぬ。保母尚宮だけでなく、産婆も確かめています」




「嘘でしょう、母上。この子はこんなに愛らしいのに、見て下さい」
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