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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第8章 不測の淵
「判らぬか。中殿が亡くなり、誰が一番得をするか。後宮では誰かが亡くなれば、次に得をするのは誰か、常に考える必要がある」



 オクチョンは真顔で応えた。





「判りません。誰かが死んで、誰かが得をするだなんて。普通は人が死ねば、哀しみしかないはずです。私はそういう考え方をしたことがないので、本当に判りません」
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