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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第8章 不測の淵
 スンを見送った後、オクチョンはしばらく庭に一人で佇んでいた。虫が一斉にすだく音色が天から降ってくるようだ。九月半ばの今、昼間はまだ真夏のような酷暑だが、朝夕は早い秋の訪れをはっきりと感じる。



「尚宮さまは本当にお優しすぎます」





 背後でミニョンの声が聞こえ、オクチョンは笑いながら振り向いた。
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