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VERTEX
第15章 迷子…



余裕だった。

多分、1Rでも倒せたはず…。

終始、挑戦者が繰り出す攻撃を涼ちゃんが踊るように避けるだけの試合…。

3R目には歴然とした差が生まれていた。

涼しい顔の涼ちゃんに肩で息をする挑戦者が最後の気力だけで突進をする。

ズドンッ…

鈍い音がリングからした。

涼ちゃんが放ったハイキックが相手の首元にモロに決まっていた。

スローモーションの映画のように相手がリングに膝を付いて倒れる。

涼ちゃんはテンカウントを叫ぶレフリーを確認もせずに右腕を高く挙げている。

勝利宣言に会場が一際大きな歓声で揺れる。

挑戦者が立とうとする。

レフリーが両手を振り上げてクロスする仕草を繰り返すと試合終了のゴングが鳴り響く。

T.K.O.勝利…。

また1歩…、頂点に向かって涼ちゃんが進んだ。

会場は涼ちゃんの強さに興奮をする。

静香さんですら


「強すぎる…。」


と涼ちゃんを褒めている。

私だけが気に入らないと思っちゃう。

相手を弄んでいるような試合運び。

VERTEXの頂点は俺だと見せつけるような展開をする涼ちゃんが知らない人に見える。

あれは私の涼ちゃんじゃない…。

そんな感覚だけしか感じない試合だった。

そのすぐ後には霧島さんの試合が始まる。

霧島さんも余裕があるように見えた。

何故、霧島さんが頂点を降りると決めたのかを全く感じさせない試合。

2RK.O.勝利…。

今も霧島さんは頂点に充分に君臨出来る人なのに…。

VERTEXでは頂点争いが始まっている。

その理由がわからない私だけが熱を帯びる会場の中でどんどんと気持ちが冷めていく。

VERTEXなんか大嫌い!

泣きそうな自分を我慢するだけで精一杯だった。


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