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月からやってきた彼女
第2章 落ちてきた姫


なんで俺がパシられなきゃいけねーんだっつーの..



「おい翔早く行って来い!
いいか、苺牛乳だぞ!間違えんなよ!」



「いい歳こいて甘ったるいもん飲んでんじゃねー爺!」




爺の怒り声を浴びながら工場を勢いよく飛び出した



あぁだから親父の工場なんて継ぎたくなかったんだっての

だいたい苺牛乳って50になる爺が飲むもんかよ





コンビ二に足を踏み入れると汗をかいていたせいかブルッと寒気がした



「翔くん今日も親父さんのお遣いかね」


「まじであいつ甘いもん好むくせに頭固いんだよな~」



そんな愚痴を叩きながら苺牛乳とコーヒーをレジへ持っていった



「まいどあり~
まぁ苺牛乳は切らさないようにしとくから頑張りな」



「うっす」



コンビ二を出た後の夏の暑さは異常じゃねえな


まじで夏でも雪降れっての




とにかく遅くなるとまたあの頑固爺うるせえし足を動かす



工場に向かって歩いていると不自然な影が地面に映った


どうみても俺のでもないし鳥でもない...人間...?



その影は徐々に大きくなっていった


何か落ちてきてるって事か?


フッと空を見上げると大きなドレスのような物が俺に向かって落ちてきている



いや...頭も足も腕も...





「おばちゃんちょっと布団貸せ!」


「ちょ、ちょっとぉ!」



近くにあった家で洗濯物を干していたおばちゃんから何枚もの布団を拝借し両腕の上に乗せ上を向く




上を向きながら落ちてくる場所に合わせる


雪じゃなくて人間が落ちてくるってどんだけだよ




もうソレはすぐそばまで迫っている

ガッと足と腰と腕に力を集中させて腕を広げる



ドサッと大きな音と共に異常じゃないくらいの振動が体中を襲った



やべ..倒れる..!!




「いってええええッッッ」


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