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また何処かで会いましょう
第1章 珈琲の香りに誘われて

鼻を通る珈琲の香りにうっとりとする。

特に珈琲が好きというわけじゃないけど、何故か呪いを掛けられたかのように惹き付けられてしまう。

……ええい!入っちゃえ!


「いらっしゃい」

「こ、こんにちは」


カランとドアの鈴音を鳴らしながら入口のドアを開けて喫茶店へ入ると、マスターのような男から声を掛けられた。

カウンターに立ち、一人でグラスを拭いている。

四十代前半に見えて、渋くてハンサム。

店内もアンティーク風でお洒落。

……入ったは良いけど、なんか緊張する……。


「好きな席にどうぞ」


店内をキョロキョロと見回しながら、マスターの言葉に首を縦に振って、一番奥の席に座った。


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