この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
竜を継ぐ者~黄の刻印の章~(世界はエッチと愛で救われる)
第20章 彼女の前髪が長い理由
「――ご……ごご、ごめんなさい!」

 うっかり真吾の肩に頭がもたれ、泡をくったように謝る美奈。跳ねるように急いで起きる姿は、何と言うかちょっと滑稽で愛らしくすらある。
 頭を首に座らせて置くのも、そろそろ困難そうに見えた。
 大丈夫なんだろうか……隣りの美奈を気にかけると、あまり平気には見えない。重そうに項垂れる頭を、フラフラと揺らしていた。
 見てられないな……。
 美奈の頭に手を添えると、真吾は首の上に戻ろうとする頭を自分の肩にボスッと押しつけた。

「た……滝川くん!?あ、あああ、あの……っ」

 美奈の顔が茹蛸のように真っ赤に染まる。
 真吾もメチャメチャ恥ずかしい――が、場合が場合だ。

「まだ下車駅まで15分はあるんだろ?無理しないで、そうしてたら?」

 流石にテレが凄まじく、美奈の顔が直視できない。
 なるべく平静は装っているが心臓はドキドキと煩いし、緊張はどうしたってしてしまう……彩夏に慣れただけであり、女の子に対して慣れた訳ではないのだ。
 少し前ならこんなリア充爆発しろみたいな事は、無かったよなぁ……自分に起こる事も有り得なかったし、自分からやる度胸も勿論なかった。
 堕児に関わってから、その辺りが加速度的に変わったと思う。
 それが良い事なのかどうか悩むところではあったが、取り合えず今は役得なのだと思おうと真吾は自分を納得させた。

「あの――誤解されたりとか……滝川くん困るんじゃ……」
「っぷ、誰に?」

 そんな心配をされる事があまりに意外で、真吾は噴き出してしまった。

「えっ……どうして笑うの?」
「いや、変な事を気にするんだなって……僕に彼女がいるでもないのに」

 そう言うと、美奈は困ったように俯いた。
 何だか彼女の頭上に、飛んでいく汗の幻が見えたような気がした。

「だって……あの……私なんて嫌じゃ……って……」
「別に嫌じゃないよ。それに――」

 どうやら美奈も我が家の姫君のように、先に相手を気遣うような子らしい。
 誤解を気にするなら、女の子の美奈の方なのに。

「どっちかって言うとそれ、僕の台詞だ」
「――そんな事ない……誤解されて困る相手もいないし……」
「なら良いけど。変な事に気を回さなくて良いよ――嫌でないならね」
「……うん」
/131ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ